お茶は、日本人にとって古くからなじみのある飲み物のため、日常生活に欠かせない人も多いのではないでしょうか。しかし、私たちが普段見かけるお茶はごく一部です。実は、世界を見渡せば、数えきれないほどの種類があります。本記事では、さまざまなお茶の特徴や世界のお茶文化をピックアップ。あわせて、おすすめしたいお茶のサブスクリプションサービスについてもご紹介します。
目次
世界中で親しまれるお茶は大きく分けると3つ!
冒頭で数えきれないお茶が世界には存在すると述べましたが、あえて大きく分けることも可能です。ずばり、お茶は「紅茶」「緑茶」「ウーロン茶」の3タイプに分けることができます。もちろん、それぞれ多くの種類が紐づくわけですが、基本はこの3つです。いずれも、ツバキ科の常緑樹「チャノキ」から作られます。
では、何が違いを生むのでしょう。
それは、加工方法です。たとえば紅茶は、茶葉を枯らす時ともんだ後の乾燥時の2回にわたって完全に酸化発酵させます。まさに「発酵茶」と呼ばれる所以です。
逆に緑茶は「不発酵茶」と呼ばれます。摘み取った茶葉に火を通して蒸し、もんで乾燥させるのが特徴です。茶葉が新鮮なうちに加熱することで、発酵の働きを止めています。
そしてその中間、1回のみの発酵で作られるのがウーロン茶です。
世界中で愛飲される「紅茶」の種類
紅茶は20カ国以上で栽培され、お茶全体の生産量の約7割を占めるといいます。香りや品質の違いは気候をはじめ環境で区分できるためか、銘柄には産地がそのまま使われること多く、とりわけ「インド産」「スリランカ産」「中国産」が有名です。
インド産
・アッサム
インドは、世界最大の茶葉産出国です。紅茶生産に関しては半分以上のシェアを占めます。
そうしたなか、取り上げたいのが「ダージリン」と「アッサム」です。
ダージリン
インド産の紅茶でまず挙げたいのが「ダージリン」です。日中暑く夜は冷え込む高地特有の気候(昼夜の寒暖差)で発生する霧が、独特の香りを生んでいます。どこか甘くフルーティーな味わいがクセになる方は、きっと多いことでしょう。
ダージリンは、約300~2,200mの険しい山の斜面で栽培されています。3~4月に摘み取られたものはファーストフラッシュと呼ばれ、収穫量の少ない一番摘みとして高値で取引されがちですが、5~6月に収穫された茶葉が比較的、評価が高い傾向にあります。
なお、10~11月の秋摘みのものであればストレートティーでも十分に美味しいですが、個人的には、渋みが加わる分ミルクティーがおすすめです。
アッサム
インド産の紅茶としてもう1種類知っておきたいのが「アッサム」です。CTC製法の採用により、抽出時間が短いにもかかわらず味も色も濃く、方やソフトな香りのため、多品種の紅茶と合わせやすく世界中で愛飲されています。ミルクティーやチャイで嗜む方も多く、アレンジしやすいことも好まれるポイントです。
ダージリン同様、季節ごとに楽しめます。
2~3月に始まる一番摘みの時期は、花束のような甘く爽やかな香りと、軽やかなあっさりとした味わいが特徴的です。渋みが少ないため、ストレートティーに適しています。
5~6月に収穫したものは、奥深く芳醇な香りが際立ついわゆるモルティーフレーバーに加え、濃厚で力強いコクが人気です。その立役者は、ゴールデンチップと呼ばれる芽。この時期、最も多く収穫できます。したがって、アッサムのベストシーズンといえるでしょう。
7~12月までは、渋みのある茶葉が収穫可能です。スモーキーな香りを引き連れてくれます。
スリランカ産
・ヌワラエリア
・ディンブラ
スリランカ産の紅茶は、茶摘みや乾燥をはじめあらゆる工程が伝統的な製法に倣い忠実に行われ、細部に至るまで徹底的に管理されているといいます。なるほど確かに、滋味深いコクはそうした背景の賜物なのでしょう。世界屈指の品質との声は、確かに頷けるものです。
というわけで、スリランカの紅茶からは、代表的な「ウバ」「ヌワラエリア」「ディンブラ」の3種類を取り上げます。
ウバ
ウバは、ストレートティーやミルクティーに適しています。特に8~9月に収穫されたものは、メンソール系の爽やかさ、あるいは花のような甘い香りを湛えつつ、フルーティーな甘さが特徴です。
ヌワラエリア
ヌワラエリアは、標高1,800mの高地で栽培されるものがメインです。刺激的な渋みと自然豊かな香りを楽しめます。なかでもおすすめは1~2月に収穫したものです。北東からの季節風が品質に作用しているといいます。
ディンブラ
ディンブラは、タンニン量が少なく、それゆえマイルドな味わいの品種です。一方でバラの香りも特徴的。なお、1~2月に収穫した茶葉が最も優れているといいます。
中国産
・ジンジュンメイ
紅茶と書いて“ホンチャ”と読む中国産は、まさに世界の(紅茶の)元祖といわれています。インド産やスリランカ産と比較すると渋みが少なく、甘みが強いことも特徴です。
以下、代表的な「キーモン」と「ジンジュンメイ」について紹介します。
キーモン
「キーモン」は、ダージリンやウバと並び、世界三大紅茶の一つに挙げられています。
欧州を中心に人気が高く、ゴージャスな香りが特徴的です。6~9月の間にわずかな量しか収穫できないため、貴重な品種としても重宝されています。
ジンジュンメイ
「ジンジュンメイ」の茶葉は、アラブやドバイに輸出されることがほとんどです。そのため、飲める機会も限られます。何よりも絶品とのこと。その貴重さに比例するように、上品な甘さと旨味は中国紅茶最高峰の呼び声があがるほどです。
日本茶の代表「緑茶」の種類
・玉露
・抹茶
・かぶせ茶
・番茶
・ほうじ茶
・玄米茶
・釜炒り茶
日本茶といえば「緑茶」でしょう。多くは「蒸し製」ですが、九州の一部で「釜炒り製」も採用されています。以下、代表格を挙げていきます。
煎茶
「煎茶」とは、摘んだ茶葉を蒸してもみ、乾燥させて作られる、いわゆる一般的な緑茶が該当します。渋みと旨味のバランスが絶妙です。なお、より濃い煎茶を望むなら、時間をかけて茶葉を蒸した「深蒸し煎茶」をおすすめします。
玉露
高級茶としても知られている「玉露」は、栽培時に直射日光に茶葉を20日以上当てないことで、光合成が活性化され、旨味成分が多くなるのが特徴です。特有の香りとコクのある味わいは、まさしく気品のあるお茶といえます。
抹茶
玉露と同じ方法で栽培した茶葉を、蒸してから炉にかけて乾燥し、不要な部分を取り除いてから粉にしたものが「抹茶」です。どちらかといえば、茶道のお点前やお菓子、飲料、アイスクリームなどの原料のイメージが強い方も少なくないかもしれません。ついクセになる特有の香りが、上質さを表しています。
かぶせ茶
「かぶせ茶」の場合、玉露(あるいは抹茶)のように茶葉を覆う栽培方法は共通しますが、その期間は1週間前後と比較的短めです。その後は、煎茶と同じ工程を踏みます。結果、玉露にも煎茶にも近い風味が感じられるお茶です。
番茶
かたくなった茶葉や茎などで作られるのが「番茶」です。大体、9月頃に収穫されます。原料は成熟した茶葉です。そのため、若い芽に比べるとカフェインが少なく身体に優しいといわれています。旨味や甘味の成分は比較的少なく、それゆえさっぱりした味わいが特徴です。
ほうじ茶
番茶や煎茶を強火で焙煎した後、すぐに冷却。そのようにカフェインを抑えて作られるのが「ほうじ茶」です。渋みや苦みが薄く、子どもでも飲みやすいお茶としておすすめできます。
玄米茶
米を水に浸してから蒸して炒り、煎茶や番茶をほぼ同量に加え作られるのが「玄米茶」です。飲みやすいため緑茶に不慣れな外国人にも人気の傾向にあります。カフェインが少なめである点も、特徴です。
釜炒り茶
一般的な緑茶は、蒸す過程で加熱処理をしますが「釜炒り茶」は、文字通り釜で炒ることで発酵を止めます。中国緑茶でもお馴染みの製法です。繰り返しますが、日本では九州地方の一部で盛んに用いられています。初めて飲む方はおそらく、釜香(かまか)といわれる釜炒り茶独特の香りに惹かれることでしょう。
意外と知られることの少ない「ウーロン茶」の種類
・黄金桂
・本山
・梅占
・色種
・水仙
ウーロン茶は、発酵度が10~80%のものすべてが含まれるため、実は多くの品種が該当します。色からさまざまです。大抵の人が思い浮かべるはずの中国原産の茶褐色だけではありません。台湾では緑色のウーロン茶が主流です。
以下、希少なものも含め、紹介します。
鉄観音(てっかんのん)
有名なウーロン茶といえば「鉄観音」が挙げられます。金木犀(きんもくせい)に似た香りが特徴的な中国生産のウーロン茶です。
黄金桂(おうごんけい)
中国の安渓(あんけい)地区でのみ、わずかな量しか生産されていないウーロン茶が「黄金桂」です。茶葉の収穫は春。その爽やかな香りは、希少性が高いゆえに特別です。
本山(ほんざん)
安渓四大銘茶の一つに数えられますが、知名度はそう高くないと思われます。というのも、ほとんど海外輸出されないからです。ここ日本でも馴染みが薄く、知っている方は少ないように思います。なお、飲み口は鉄観音に近く、厚みのある味わいです。
梅占(めいせん)
「梅占」は文字通り、香りも味も梅が占めています。深みもあり、華やかさも感じられるお茶です。
色種(しきしゅ)
「色種(しきしゅ)」は、本山と梅占、そして紅茶や緑茶でも使われる「福雲(ふくうん)」を加えた3種類がブレンドされています。製法、形状、人気、いずれも鉄観音と双璧をなすウーロン茶です。
水仙(すいせん)
「水仙」は、甘味を含む独特の香りと、赤褐色の鮮やかな見た目が特徴的なウーロン茶です。見た目からして、福建省に流れる川の北部と南部で、まるで違うことがわかります。無論、それは茶葉の栽培方法が異なるからです。
知れば試したくなる!?世界のお茶文化
世界全体で見ると、先述の通り、お茶のなかでも紅茶を飲む国が大半を占めます。砂糖、ミルク、スパイス、ハーブなどを加え、さまざまなテイストで堪能できる点が、おそらく最大公約数的に世界で好まれているのでしょう。たとえば、南アジアでは、鍋で煮だした紅茶にミルクと砂糖を大量に加えるといいます。日本人の感覚だと、さすがに単なるミルクティーとしては括れません。また、スパイスを調合し、健康ドリンク代わりに飲んでいる国もあるようです。
その他の地域でもユニークなお茶文化が存在します。
中東では、熱いお茶に砂糖を入れ、1日に何回も飲むとのこと。
ロシアでは、俗にいうロシアンティーが有名です。はちみつや砂糖、ジャムなどを舐めながら、温かい紅茶を飲むスタイルを指します。
チベットで飲まれるお茶は、プーアル茶の煮出しにヤギやヤクなどの乳で作ったギイというバター、さらに岩塩を加えて練り上げたバター茶です。高地で暮らす人々にとって塩分補給の役割も担っているため日常では欠かせません。この風習はネパールやモンゴル、ブータンでも見られます。
なお、日本のお茶文化に関して述べると「冷やして飲むこと」が、国によっては珍しく映るようです。
お茶好き必見のサブスクを厳選して紹介!
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お茶のサブスクについてもっと知りたい方はこちらの記事もチェック!
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スペシャルティーを堪能できるサブスク「O-CHA」お茶の魅力は世界共通、そして無限大!
普段から何とはなしに飲んでいるお茶ですが、突き詰めると実はさまざまな種類が存在します。また、それぞれが魅力的です。
栽培地によって香りが異なる点などは興味深く、一方で美味しく感じられることは共通しています。
と、世界単位で見れば今後もお茶の種類は増え続けるのではないでしょうか。それは、伝統と革新の融合を繰り返してきた歴史から事実として学ぶことができます。まさしく無限大に広がっていくはずです。
そして、せっかくならなるべく多くの種類のお茶を満喫したいものです。それゆえ、サブスクの利用価値は高いといえます。
これまで知り得なかったお茶との出会いをぜひ、積極的に築いていってください。